佐賀市水ガ江の「くが歯科医院」が完成して、リニューアルオープンしました．
江戸時代創建と言われる武家屋敷門と楠の巨木と大きな赤松と鳥居のあるお庭を
活かして、快適な診療空間と居心地のよい住空間をつくることを心がけました．

門をくぐると医院と住宅の共有のアプローチ空間があります．
１階が新しい歯科診療所、２階が２世帯の住居になります．

水ガ江の商店街の通りに面して、医師の祖父の代からの診療所です．
既存の建物に設えられていた御影石の銘版を新しい建物にはめ込みました．

診療空間には個室の予防診療室も設けられて、患者さんは赤松の庭を眺めながら、
診療を受けることができます．

門をくぐると、ゆるやかなスロープの向こうに待合室とキッズコーナーが見えます．

くが歯科は鉄筋コンクリートと鉄骨の混構造．
1階診療所部分には１１本の鉄骨の柱が並びます．
鉄骨柱は６５×１００の無垢材で、サッシの方立（バックマリオン）を兼ねます．

一般の鉄骨構造材とは製作精度が異なるために、プレス加工が得意な佐賀の田中鉄工所に頼んでいます．長崎市立美術館のバックマリオンもここの仕事．

小さくても無垢の鋼の存在感は圧倒的でした．

古くからの商店街、既存診療所と住宅、重要文化財の武家屋敷門と大きな楠木等の
周辺環境を綿密に検討して、建物の支持地盤までの杭地業ではなく、
３本のドリルを繋ぎながら、２０mの柱状土壌改良工事です．
直径1.0mから1.4m、３３本の柱状改良が１０日間の日程で進みます．

施工は森永建設株式会社さんです．

佐賀市K歯科（診療所併用住宅）の基本設計がはじまります。