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福岡県飯塚市に建つ、周囲を山々と田んぼに囲まれた写真家の自宅と写真スタジオ、ゲストハウスが一体となった建物である。

周囲の山々や田んぼの広がる風景に馴染むよう、配置や形状、色彩を検討した。

「撮影に来てくれた家族がのんびりとできる場所を作りたい。」という施主の想いから、ほっとくつろげる空間作りを目指した。

　ゲストハウスは、にじり口のように低く構えた入り口を通ると、洞窟のような丸みを帯びた空間が広がる。

畳に腰をおろすと、大きくとった開口から山並みと田んぼが一望できる。

深く突き出た軒先には、鳥が巣を作っていて、鳥たちの鳴き声が優しく響く。

住宅とスタジオ・ゲストハウスの間には、写真家とゲストが交流できるアトリエ広場を設けた。

入り口から田んぼまで抜けた広場は、写真を撮るように風景を切り取り、訪れた人々を迎え入れる。

見上げた屋根には、手刻みで加工した太鼓梁を掛け、人々が集う空間のシンボルとなっている。

　外構は、広々とした田園風景の中に、果樹や花の咲く木をポイントで植え、季節の移り変わりを楽しめるような計画とした。

時間とともに建物も植栽も成長していく。

変わり行く景色とともに、変わらず優しく迎え入れてくれる建物となることを願っている。

計画概要