煉瓦と蔦と瓦
福岡市中央区、10台ほどの駐車場の奥に、この煉瓦の壁はある。
煉瓦タイルの外壁に、小さな窓がパンチングされていて、その装飾的な壁面を、赤、黄、みどりの蔦の葉が自在に這い回っている。
よく見ると、破風にもいろんな陶片がちりばめられていて、こちらからの見え方を意識しているのだけど、この煉瓦の壁面には正面入り口らしきものが見当たらない。
雨樋がすごくいい位置に1本だけ下りている。
このファサードは絶対「カワイイ」よね。
壁の左側は坪庭に通じているようだし、右側は勝手口の木戸ような気もする。
いったい、今は駐車場になっている、この手前のスペースはなんだったのだろう?
それとも、この面は建物の裏側で、裏の建物がある日壊されて、いきなりお尻を見せている図なのかな。
それにしても素敵なお尻だこと。色とりどりのレースの下着をつけている。
赤と黒の煉瓦タイルが不思議な按配で貼り分けられて、
和瓦でつくった三角形が横一文字に帯をつくって、
白黒の陶片が樋の横でたての帯をつくっている。
マグサは磨いた御影石が使われていて、
その上に鬼瓦の破風がついていて、
窓は格子のついたアルミサッシ。
上から眺めると、中庭を囲んで、コの字型の平面をしている。
煉瓦と和瓦と陶器と石の自由闊達で国籍不明なデザインが、蔦の葉と戯れている。