オランダ坂
去年の撮影です。
長崎のまちには印象深い景観が多くあるし、ここはあまりにもメジャーですが・・・
オランダ坂は、普通に車が通る生活道路から、ヒョイと唐突に石畳の階段を上がると、そこにある。
左手は活水女学園の高い石垣が反り返るように聳えていて、右側は古い洋館の石の塀が蔦に包まれて、右に湾曲しながら続いている。
洋館の塀は断面的にもモッコリとしていて、全部が蔦に覆われている。
坂の入り口では人よりもずっと高かった塀が、坂を上るにつれてだんだんと低くなってくる。
そして、右にゆるやかにカーブした坂をのぼりきって、右にふり返ると、
眼の前に稲佐山と長崎港の風景がスーーーッと広がっている。
今でこそ、新しい大きな建物のせいで、見下ろす風景は変わったけれど、
子供の頃から村長が大好きなシーンの展開でした。
友人が長崎に来るたびに解説つきで案内して、ハナタカダカなスポット。
坂ノ下には古いレンガ造りの建物が資料館として使われている。
大切に残される通りやまちなみや建築がひとつづつでも増えてゆけばよい。
そんな気持ちで、日々、ひとつひとつの設計に取りくんでいます。