近所

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「川辺の家」、「すくすくの家」、「みちくさの家」、「ことことの家」。
4つの住宅のすぐ近所に、クリニックの計画の相談です。

ワークスで4年前に設計したクリニックにお勤めの先生が結婚して、ご主人と共にお父さん先生のクリニックをリフォームすることになりました。
お父さん先生は18年前にクリニックを新築して、お祖父さん先生と診療されたそうです。

「てんとう虫プロジェクト」もそうですが、最近ワークスにいただく相談は、古くても良いものを活かしたいという改築の要望が多くなりました。

計画地周辺の環境を丁寧に観察し、その建物に刻まれた時間を感じながら計画を練ります。

増築の規模、改修の程度、残したいもの、刷新したいもの、新旧の調和など、新築よりも検討することが多様で複雑です。多様で複雑なものがうみだす豊穣さが目標です。

計画に取り組む姿勢

「足立山の教会」の設計を依頼されるにあたり、取り組む姿勢を問われて、
わたしたちは次のように答えました。

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翁の耳と童の眼

私たちは建築をつくる過程をもっとも大切にしています。

施主の要望と建築に求められる機能を正確に把握し、建設敷地と周辺環境の
物理的条件と歴史的条件を理解して、最適な解答として建築計画を提案します。

建築にかかわる多くの力を結集して課題を克服し、施主が希望する建物の竣工と
その後の円満な運営を目標とします。

そのために、施主の要望をしっかりと聞き取る翁の静かな耳と、関係する人々の
夢や希望に応える童の輝くようなまなざしを忘れずに本計画に取り組んでゆきます。


素直で経済的な建築

本建物は求められる機能を素直に表現し、利用する人々の想いに誠実に応える
質実で健康なものでありたいと考えます。 

計画的、構造的、設備的、コスト的なすべての面で、信者さんが便利で安心して
利用できる建築を計画します。

十分に計画された建築は無駄がなく働きやすくそして心地よいものです。
構造的に十分練られた建築物は贅肉がなく引き締まって美しくなります。
設備的には初期投資と完成後の運転経費を吟味して最適な室内環境を設計します。
ライフサイクルコスト(建設費と維持保守改修費を合わせた建築の生涯コスト)を
最小にする視点から考え、耐震耐風強度、防水、断熱、日照、通風、耐久性
などの建築の基本性能に予算を使って、そのほかの無駄な部分のコストを抑えます。
施主の要望を正確に理解して、経済的な建築計画を進めます。

地元の信者さんたちの寄付金で賄われる教会の建設は、経済的設計だけでなく
公正な施工者選定と現場での厳正な監理により正しい資金活用が可能になります。

私たちは建築に形を与え実現することを職能としています。
それは建て主が建物を産み出すための助産婦の役割であるともいえます。
信者さんが末永く愛着を持ってくれるような素直で誠実な教会を誕生させたいと
考えています。

専門家

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・・・。ある専門領域が有用であるとされるのは、別の分野の専門家とコラボレーションすることによってのみだからです。

 『ナヴァロンの要塞』でも『スパイ大作戦』でも、「チームで仕事をする」話では、爆弾の専門家とか、コンピューターの専門家とか、外国語の専門家とか、格闘技の専門家とか、変装の専門家とか、色仕掛けの専門家とか、そういうさまざまな専門家が出てきます。彼らがそれぞれの特技を持ち寄って、そのコラボレーションを通じて、単独では成し遂げられないほどの大事業が実現される。

 他の専門家とコラボレートできること。それが専門家の定義です。他の専門家とコラボレートできるためには、自分がどのような領域の専門家であって、それが他の領域とのコラボレーションを通じて、どのような有用性を発揮するかを非専門家に理解させられなければいけません。

 自分が何の分野の専門家であるかを、他の分野の専門家たちに理解させることのできない専門家には、誰からもお呼びがかかりません。これが「専門家」という存在の背理です。

街場の教育論- 内田樹

施主施工

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「みかんの家」は2階リビング。1階は土間コン仕上げで、引渡し後に建て主が時間をかけて内装を仕上てゆくプログラムでした。

「ことことの家」は塗装工事を建て主さんが、工務店の指導で行いました。

「かえるの家」は庭のビオトープが、ご主人の世話で日々進化しています。

「colecco house」は電話会社に勤めるご主人が弱電工事と塗装工事を行いました。

まもなくオープンハウスでお目見えする「けものみち」は、スポーツマンのご夫妻が、やはり塗装工事に精を出しています。その様子はこちら

同じく「つーとんの家」は塗装だけではなく、左官工事(シックイ塗)もご主人が請け負っています。

「けものみち」も「つーとんの家」も、オープンハウスがとても楽しみです。

WORKSの家づくりの自慢は、建て主ができた家を好きになってくれること。

自分で施工した家になれば、なおさらです。

施主施工は、VEの結果ではなく、手間隙をかけて自分の家を好きになること。

そこでの家族の暮らしを大好きになることだと思います。

施工者

WORKSは、いい仕事をしてくれる施工者さんをいつも探しています。
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今、木造の住まいづくりで、自信を持っておすすめできる地元の工務店さんは、
福岡市西区の株式会社 藤匠住宅 藤松さんと
大宰府の筑波工務店の秦さんです。

どちらも大工出身の技術者社長。

藤匠住宅の藤松さんはCADを駆使して施工図から部品図まで書き上げます。
WORKSは、藤松さんが国産材(杉や桧)の乾燥技術開発に取り組んでいた頃からの付き合いです。
建設物価の高騰と、日本の森林資源の活用を真剣に憂えて、東奔西走していました。
その頃飼っていた高齢の愛犬のために、犬用車椅子を製作して、熱心に介護しておられたのをよく覚えています。
その後藤松さんは、木構造の金物工法を開発して特許を取得し、その事業化にも取り組んでいました。
口数は少ないけど、「ここは、こうやろうモン!」と自分の価値観を明確に表明する姿勢が、大好きです。
若者達には少し厳しく怖い社長です。

筑波工務店の秦さんは、素晴らしい手書きの施工図スケッチを描きます。
尊敬する建築家たちからの推薦で、最初の仕事をさせていただきました。
いつも明るい笑顔と笑い声が絶えません。若い設計技術者たちのやさしい先生です。
現場に木構造の仕口の模型を持ってきて解説してくれたりします。
福岡の多くの建築家から引っ張りだこで、「忙しい!忙しい!」と走り回っています。

数値化が難しい木造住宅の場合、施工者の技術力と情熱が重要。
大工の棟梁や左官、電気、設備の専門技術者の技術とやる気を引き出して、建て主の期待を超える住宅をつくって、完成後の保守にしっかりと付き合ってくれる。そんな工務店さんに設計者が甘えるのではなくて、共に「いい仕事をしたよね!」と、胸をはれる仕事をしたい。

施主の思いをしっかりと聞き取り、イメージを膨らませて、設計図に定着させる設計者と、その意図を正確に把握して、木の特性を生かして風土にあった住宅をつくりあげる施工者の強い連係こそが大切だと思っています。

建築家

設計とはヴィジョンを提示すること。
そのヴィジョンを図面によって人に伝えること。
だから、建築家はヴィジョンを提出し、それを実現する人だと思います。

建築とはつみあげてつくりあげること。
多くの人の技術と情熱を合わせて建物を完成すること。
だから、建築家はつくる喜びを多くの人に伝える人だと思います。

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だから、私たちは柔軟であることを心がけ、いくつになっても学んでいます。
だから、私たちは多くの素敵な人たちとの出会いを大切にしています。

コラボレーション

各々の分野のプロと協同し、共鳴し合い、
よりよいものづくりを目指すこと。

構造建築家
設備建築家
照明デザイナー
家具デザイナー
グラフィックデザイナー
工務店さん
職人さん
などなど・・・

そして、クライアントもユーザーのプロ。

よりよいものづくりのために、信頼し、成長できる仲間を増やすこと。
コラボレーション。

それが、ワークスの’’ふつう’’です。

デザインミーティング

ワークスはチームです。

週に1、2回開かれるデザインミーティングでアイディアを出し合います。
デザインミーティングに参加しているのに、なにもアイディアを出さなかったら、
「退場」と言われたりもします・・・。

だれかの言ったひとことで、ガラッとプランが変わることもしばしば。
アイディアの競争、連鎖反応を大切にしています。
ワークスはチームで設計をしています。

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いつもふりだしの白に戻る。

可能な限りの先入観を排して、まっさらな地平から設計を始める。

わたしたちの大切にしているものを守りつつ・・・

それが、ワークスの“ふつう”です。

はじめに。

当たり前と思うことを当たり前に行う、ワークスの物づくりの姿勢。そんな、私たちの“ふつう”をここで、綴っていこうと思います。


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