喫茶呼
星野村「茶の文化館」です。
設計集団櫂の首藤さんがが提案した「茶の文化館」の基本コンセプトは”喫茶呼”でした。
「あなたを歓迎いたします。どうぞお茶をおあがりください。」というような意味です。
場を設え、お茶を点て、客をあたたかくもてなすことが、茶の文化だと考えました。
玉露の里に流れる朝霧をイメージして外観が設計され、
星野の谷の杉木立をイメージして内部が設計され、
あたかもお茶室へ客を導くように動線や庭が設計されました。
施設がオープンしてしばらくは、ホールに多くの展示物がありましたが、
久しぶりに訪れた茶の文化館のホールは、展示物が片付けられて、
「すすり茶」を楽しむ人々でいっぱいでした。
山の景色や谷の景色を楽しみながら、ぬるく甘いお茶をすする。
村の奥さん達が工夫してくれたお干菓子をいただく。
4度楽しんだ玉露の葉は、最後にポン酢で食する。
村の人たちのおもてなしを、ゆったりとした気持ちで受け取っていただく。
ここでしか経験できない時間が流れている。
設計時に構想したように建物が使われ、運営がさらに進化してゆく。
帰り際にもまたバスが着いて、若い人たちが、文化館への石畳の路地を楽しんでいました。