« ご近所のチャペル | メイン | もうすぐクリスマス »

2007年12月03日

宝満山

ちょうど2年前あれやこれやで僕がジタバタしていた頃、
「ちょっと、山でも登ろうや。」と友人が電話してきた。

%E5%AE%9D%E6%BA%80%E5%B1%B1%E3%81%AE%E7%99%BB%E5%B1%B1%E9%81%93.jpg

彼とは小学校、中学校、高校の同級だった。

コンビニで握り飯と水を買って、竈神社から2人で宝満山に登った。
小中学生の遠足コースなのに、運動不足の50代半ばの2人にはなかなかハード。
彼は学生時代は体操部で、社会人になってからは多摩川で仲間たちとサッカーに夢中になるスポーツマンだったので、うっかりしていた。
山を下りながら気づいた。
若い時に運動で膝を痛めていた彼にはこの傾斜は険しすぎる。

何にもいわずに黙って下りてくる彼と、歩調をあわせながら、
大きな石段を下りた。

僕の身辺を気遣って、気を晴らしてやろうと、苦手な山登りに誘ったのだ。
うれしくて、涙をこらえながら、ゆっくりゆっくり山を下りた。


%E5%AE%9D%E6%BA%80%E5%B1%B1%E3%81%AE%E6%9C%A8%E6%BC%8F%E3%82%8C%E6%97%A5.jpg

二日市温泉「博多の湯」で、ゆったりと二人で足をのばし,
それから天神の屋台で、いつものように遅くまで飲み明かした。

翌年の夏、嵐の夜に、二台の車に撥ねられて、彼は大気の中に帰っていった。

%E5%AE%9D%E6%BA%80%E5%B1%B1%E9%A0%82%E3%81%AE%E9%9A%8E%E6%AE%B5.jpg

そんな彼のことを思いながら、あれ以来はじめて登った宝満山の山頂は晴れ渡っていて、

ひとりでながめる福岡のまちなみが遠くかすんで見えました。

コメント

ご無沙汰しております。

2年5ヶ月前に他界した私の先輩を思い出しました。
先輩も山が好きで、多くを語らず背中で見せてくださるタイプの方でした。

向こうの世界はよほど良い世界なんですかね。
このような方が早く旅立たれます。

私のようなものは現世で修行が足りないので、もうしばらくあちらには行けないのかも知れません。

そうなんです。ほんとに良い奴でした。

向こうに行ってから、さらに良い奴になりました。
だって、悪い記憶が更新されることがなくなったものですから・・・
よい想い出だけがのこっています。

ただ、会いたくなったときに会えないだけです。会いたい人には会えるときにあっておこう。そう思い知らされます。

ばんこさん「ばんこの家」のすみごこちいかがですか?
もうすぐお正月ですね。

コメントする