朝陽にむかって
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福岡市中央区御所ヶ谷にあるイタリアンレストラン「サーラカリーナ」
このお店は建築家白川直行氏の手になる素晴らしいレストランです。
福岡市都市景観賞を受賞しています。
荒木歯科医院の竣工披露パーティーでお呼ばれしたことがあります。
料理もワインも文句なし。客席からの景色もしっかり計算されてあります。
高さ3mの石垣に洋風の小さな蔵が挟み込まれたような正面外観です。
その脇の石垣の蔦の中に白いシンプルなサインがそっとあります。
このサインが「サーラカリーナ」のコンセプトを象徴しています。
都市の中のさりげなく上質な空間。
みどりのなかに象嵌された建築。
そしてヒューマンなあたたかさ。
えらい元気な若者が段ボールを担いで訪ねてきた。
九州大学大学院 芸術工学府 芸術工学専攻 インテリア研究室から来たらしい。
志免に住んでる。
修士2年、来春は大手企業に就職する。
結婚して1年半、去年はロンドンで半年間夫婦共働きしていたそうな。
その前にベンチャー立ち上げに参加して有限会社しくみデザインをつくった。
ホームページトップの右から二人目が彼らしい。
ワークスを訪ねた目的は彼の修士論文のネタ。
建築家とクライアントのコミュニケーションを研究しているとか。
研究は少しピンボケな感じだけど、その行動力としゃべりと営業センスは超一流。
こんなコミュニケーションの天才が他人のコミュニケーションの研究なんかできるのかしら。
「僕は立体なんですよ。立体!絵はぜんぜんダメなんです。ヘロヘロで・・」
「へたな絵ほどいいんだよ。お前建築やれよ!」
「ダメッす、一度東京行って、大組織で製品開発やりたいんッす。」
「東京ならワークスも来春東京支店出すし、音響と映像のインタラクティブなんちゃらってのの最先端が舞さんの友達だし、紹介するやん。」
「ウオーッ、ぜひ!ぜひ!」
秘密の大手門の焼鳥屋(秘密っていわれてるから教えられないけど味最高の焼鳥「鳥次」:高くない)で騒いでいたことでした。
「しくみデザイン」を探していたら、変なゲームを見つけて、ちょっとやってみたら酔ってしまった。
少し気が早すぎかな・・・?
開かれた木の扉と
赤と緑の配色と
ズタ袋とぬいぐるみは
やっぱりクリスマスのイメージだよね。
ちょうど2年前あれやこれやで僕がジタバタしていた頃、
「ちょっと、山でも登ろうや。」と友人が電話してきた。
彼とは小学校、中学校、高校の同級だった。
コンビニで握り飯と水を買って、竈神社から2人で宝満山に登った。
小中学生の遠足コースなのに、運動不足の50代半ばの2人にはなかなかハード。
彼は学生時代は体操部で、社会人になってからは多摩川で仲間たちとサッカーに夢中になるスポーツマンだったので、うっかりしていた。
山を下りながら気づいた。
若い時に運動で膝を痛めていた彼にはこの傾斜は険しすぎる。
何にもいわずに黙って下りてくる彼と、歩調をあわせながら、
大きな石段を下りた。
僕の身辺を気遣って、気を晴らしてやろうと、苦手な山登りに誘ったのだ。
うれしくて、涙をこらえながら、ゆっくりゆっくり山を下りた。
二日市温泉「博多の湯」で、ゆったりと二人で足をのばし,
それから天神の屋台で、いつものように遅くまで飲み明かした。
翌年の夏、嵐の夜に、二台の車に撥ねられて、彼は大気の中に帰っていった。
そんな彼のことを思いながら、あれ以来はじめて登った宝満山の山頂は晴れ渡っていて、
ひとりでながめる福岡のまちなみが遠くかすんで見えました。
土曜日のお昼をみんなで食べて事務所にもどる途中、
ワークスのそばのチャペルのドアが開いて、
花嫁さんが階段を下りてきました。
それはそれはきれいなお嫁さん。
花嫁が階段の途中から後ろ向きにブーケを投げ、
受け取った女性たちの歓声があがります。
つぎには何故か、花婿もブーケを同じように投げて・・・
ふーーん、 ナンカ・・・男女平等なのね。
大きな風船が割れて、中から小さなハートの形の風船が
12月の真っ青な青空に向かって、舞い上がっていきます。
風船を見つめるみんなの顔がとても幸せそうで、
村長たちも幸せのおすそ分けをいただきました。