聖堂再生プロジェクト
先日、2007年4月15日の起工式から2011年4月7日の献堂式まで聖堂再生の長い道のりが始まります。
基礎工事、骨組工事、仕上工事の各段階で多くの市民参加が企画されています。
2007年5月5日は小学生の参加、同じく夏休みは中、高、大学生の参加募集が行われ、修復技術を学ぶことができます。
今後、これらのイベントに可能な限り参加しながら報告していきます。
NPO法人文化財保存工学研究室理事長の土田光義先生は私の恩師です。
日本建築様式史を教わりました。
寺社仏閣、民家、外国人居留地の洋館、教会建築など日本の建築歴史の多様な領域を研究してこられ、九州のいたるところに先生の研究の成果が残っています。
ついこないだ行った長崎ランタンフェスティバルの館内町の御堂にも土田先生の研究と評価が案内されていました。
土田先生が私費を投じてライフワークのひとつとしているのが、このザビエル聖堂再生です。
これはその正面立面図ですが、惚れ惚れするプロポーションです。
歴史的建築は古いからいいのではなく、古くても残したくなる魅力があるからいいのでしょう。
骨組みの木構造にも創意工夫があり、塔の意匠にもアイデアがあるそうです。
聖堂は敷地の北側の森に寄せて、東を正面、西を祭壇とする東西軸で配置されます。
都市計画法と建築基準法により建物の高さ制限がある地域ですが、建築審査会の許可を受けて尖塔のある聖堂の建設が可能になりました。
敷地の南西の隅に、鹿児島から運んでこられた聖堂すべての部材が保存されています。屋根瓦や石材はこのように露天で保管されていますが、木材などはすべて小屋の中に大切に積み上げられています。
聖堂再生プロジェクトの理念が素晴らしいので、紹介します。
1.チームは独立しているが、有機的に繋がる。
2.ともに汗を流し、喜びを共にする。
3.使い捨てはせず、ものを大切にする。
4.3世代(祖父母・両親・子供)による協力体制を築く。