ザビエル旧聖堂起工式
以前WORKSトップページで紹介したザビエル旧聖堂の起工式が4月15日(日)に行われました。
新聞でも取り上げられていたのでご存知の方も多いとおもいます。
昨年12月の祝別式は敷地にカトリックの神様の祝福を願うものでしたが、今回は建築の起工式=地鎮祭でした。
これは式のための祭壇です。中央に小さな十字架、その前にパンの入った皿と葡萄酒、右側にお香を入れる真鍮の器、左側に聖水を入れるガラスの器。白い布の上に意味のある道具が並べられて祭壇がつくられました。再生建設地「福岡黙想の家」の森を背景にしています。
混沌とした空間(森)の中に秩序ある世界(聖堂)を産み出してゆく作業は神話の基本的なモチーフです。この祭壇が新しい聖堂の再生を象徴しているようです。
聖書の朗読があり、賛美歌が歌われ、杭打ちの儀が行われました。
神父様が立てられた杭に聖水とお香で神の祝福と庇護を祈ります。
このような建築儀礼は、家屋の建設が単なる物理的作業ではなく、そこに社会的要請がこめられていることを思います。社会的に建物が認知されるためには共同体の成員がそれに立ち会って、その経験を共有しなければならないのでしょう。
起工式の後にはお茶会が催され、参列者にお茶がふるまわれました。
さらに、地元の人たちによる「赤間太鼓」が勇壮に響き渡り、中国、朝鮮との交易の拠点であったこの歴史的な宗像の地にカトリックの教会が再生されることを歓迎していました。
和洋折衷の起工式を見て、新たに訪れる人々とそれを迎える人々の心のやりとりがあたたかく感じられました。
「鹿児島に建てられたザビエル教会が何故宗像に移築されるのか?」との問いがなされていましたが、「偶然」というのが正解なのでしょう。その偶然が縁であり、その縁を喜びとして迎える私たち日本人の感性が素敵なのだと思います。
かつてザビエルが鹿児島の地に上陸して、地元に迎えられ京都まで上ったように。