活き
ご同感いただけると思いますが、オトコがくたびれてきて-女性諸子にとってお淋しいことでしょう-変わって、オンナの活きがきわだってよくなってきたことです。
人類が農業時代に入って、国をもち、国と国との戦争という、それ以前の(採集時代の)人類が経験したことのない機能・現象を持つようになりました。オトコは、穀物倉庫の数量の計算に長じているとされていて(これが迷信だったことは、今ではだれもがうなずくでしょう)役人になったり、政治をうけもったりしました。オトコの若者は、筋肉が発達しているというだけの理由で、戦士になりました。
それからの慣習は、どうやら終ったか、おわろうとしています。
21世紀には、戦争をなくすることも、オンナがそれをやりとげるでしょう。
つまらない民族間戦争も、あれはじつはオトコ社会が慣習的に持ってきた幻想による昂奮が、主原因でした。オンナは本来、ヒトというただ一種の感覚がゆたかで、人種・文化の違いということについては、神のような鈍感さを持っています。
そのくせ、差異をあらわす文化についてはオンナが継承し、継承する能力も卓れています。21世紀は世界が一種類になるということはなく、多様さを人類が楽しむ時代になると思いますが、そのように積極的に楽しむという能力も、オンナのほうが一枚上のような気がします。
活きのいいひとびとへ。
ちかごろ頓に活きがわるくなっている側の、とくに活きがわるい一人より。
(平成4年12月 司馬遼太郎)
司馬遼太郎さんがなくなる4年前の文章です。
少し歳をとっただけのオトコとしては、オンナたちにエールを送りながらも、活きのよさだけはもう少し保っていようと思うのです。
コメント
負けられませんよね~。
私も影ながら(^_^)活きの良さを保っていきたいです。
Posted by: ばんこ | 2007年03月23日 07:04
そうなんです!そうなんです!
負けられないんです。
でも負けたふりして、しぶとく頑張るチョイ悪もありかな・・・とか。
Posted by: 村長さん | 2007年03月23日 14:55