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2007年03月21日

活き

 ご同感いただけると思いますが、オトコがくたびれてきて-女性諸子にとってお淋しいことでしょう-変わって、オンナの活きがきわだってよくなってきたことです。
 人類が農業時代に入って、国をもち、国と国との戦争という、それ以前の(採集時代の)人類が経験したことのない機能・現象を持つようになりました。オトコは、穀物倉庫の数量の計算に長じているとされていて(これが迷信だったことは、今ではだれもがうなずくでしょう)役人になったり、政治をうけもったりしました。オトコの若者は、筋肉が発達しているというだけの理由で、戦士になりました。
 それからの慣習は、どうやら終ったか、おわろうとしています。
 21世紀には、戦争をなくすることも、オンナがそれをやりとげるでしょう。
つまらない民族間戦争も、あれはじつはオトコ社会が慣習的に持ってきた幻想による昂奮が、主原因でした。オンナは本来、ヒトというただ一種の感覚がゆたかで、人種・文化の違いということについては、神のような鈍感さを持っています。
 そのくせ、差異をあらわす文化についてはオンナが継承し、継承する能力も卓れています。21世紀は世界が一種類になるということはなく、多様さを人類が楽しむ時代になると思いますが、そのように積極的に楽しむという能力も、オンナのほうが一枚上のような気がします。
 活きのいいひとびとへ。
 ちかごろ頓に活きがわるくなっている側の、とくに活きがわるい一人より。
                         (平成4年12月 司馬遼太郎)

司馬遼太郎さんがなくなる4年前の文章です。
少し歳をとっただけのオトコとしては、オンナたちにエールを送りながらも、活きのよさだけはもう少し保っていようと思うのです。

コメント

負けられませんよね~。
私も影ながら(^_^)活きの良さを保っていきたいです。

そうなんです!そうなんです!
負けられないんです。
でも負けたふりして、しぶとく頑張るチョイ悪もありかな・・・とか。

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