ラムネ温泉
大分県直入町長湯「ラムネ温泉」
九州横断道を由布院で降りて、40分ほど南に走ると世界でも有数の炭酸泉「長湯温泉」がある。
去年はここにはまっていました。
長湯には多くの源泉があって、大きく分けると「ドロ湯」と「ラムネ湯」の2種類。
この「ラムネ湯」が村長の体質にぴったりでした。湯温は32℃。湯に浸かるとヒヤッとする。でも5~6分もするとなんだかポカポカしてくる。そして体中に炭酸の泡がびっしり!なんだかもったいないような気がして、泡が消えないようにじっとしていると手も足もおなかも真っ白になる。浮力がついたような気がして、浴槽の縁に頭をあずけて、手足を伸ばすと、心も伸びてきて、いつの間にか眠ってしまうのです。すぐに30~40分が経ってしまいます。指の皮がふやけて弛緩してしまった体と心を、室内の42℃の「ドロ湯」でシャキッとさせて、また32℃の泡に浸かります。ね!すぐ2時間近く経ってしまいます。村長が家内に負けず劣らず初めて長湯したのがここでした。長湯のネーミングの由来はこういうことかも。(本当は違うらしい。)
「ラムネ湯」は一般名詞ですが、長湯の老舗大丸旅館が古い施設を更新して、施設「ラムネ温泉」をつくりました。建築家は藤森照信。杉板とシックイのゼブラや屋根の頂の松ノ木や複雑な屋根の形が実に奇をてらった建物で山村の中で目立っています。藤森さんは建築歴史家で、いわゆるデザイナーとは異なる言語で建築を考え実現する人のようです。福岡の浄水通りにも屋根の上に松ノ木が生えた住宅がありますよね。ワークスの小葉紅ちゃんも藤森照信の大ファンです。
写真はラムネの露天風呂の盗撮ですが、ビニールハウスのようなフレームは後工事だそうです。ラムネの湯は炭酸を多く含んでいて、ポンプアップすることができません。それで湧出点から流し落とせるような低い位置に露天風呂がつくってあります。だから畑の中にはまり込んだような形で湯に浸かります。なかなか不思議な感覚です。
長湯には象設計集団が設計した温泉もあります。こちらは藤森作品と違って地元の人に好評のようです。脱衣場が狭かったり、入り口が低くて頭を打ったり、洗い場や女性の化粧スペースが無かったり、何かと使いにくいのですが、村長お薦めは藤森作の「ラムネ温泉」です。
ぜひ長湯してください。
また、近所の「七里田温泉」にさらに炭酸濃度の濃い「下ん湯」があります。湯船の水面から炭酸の泡がパチパチはじけるのがわかります。ここはなかなかの秘湯ですが一般にはお薦めじゃないかも?
こう言うと、探していきたくなるでしょ。村長も見つけるのに苦労しました。