番外 素敵な公共建築
星の温泉館きらら
おまけです。
「茶の文化館」を設計した首藤泰比呂の手になる「星の温泉館きらら」はいい温泉です。
この写真は浴室の内部の様子ですが、何か普通じゃないのががわかりますか?
温泉の湯船の向こうのハメ殺しの大きなガラス窓が水滴で曇っていない!
だから温泉に浸かって外の森の景色と谷の見晴らしが存分に楽しめる。いい感じです。
実は大きなガラスの下には30mmほどの隙間があってそこから吸い込まれた外気が、湯船から溢れる温泉の熱でガラス沿いに上昇し、ガラスに湯煙が結露するのを防いでいるのです。丁寧な仕事です。
このガラスの外に露天風呂がある。木々に囲まれた「もりの湯」と谷を見下ろす「みはらしの湯」。
この露天風呂も湯船に浸かった人の視線の高さと方向をじゅうぶんに計算してある。頭を乗せ掛けて脱力できるような湯船の縁の石組みがうまくいってれば最高。
湯上りにはゆったりとしたタタミの休息室があり、掃きだしの窓から森の景色を眺めたり田舎料理をつまんだりしながらうたた寝が出来ます。
温泉は泉質が人それぞれに相性があるので一概に言えないけど、施設としていちばんリラックスできる温泉建築はこの「星の温泉館きらら」どす。
ああ、村長も温泉の設計がしたいなあ。